2012.12.14

天皇杯4回戦 横浜FM戦プレビュー

リーグ戦の激闘から2週間。明日から天皇杯が再開。レッズは熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で横浜F・マリノスと対戦する。

横浜はリーグ戦は13勝14分7敗の勝点53。リーグ最小失点の33という堅実な守備で確実に勝点を積み上げ、引き分け数こそ14とリーグ最多であったが、最終節に3位の鳥栖に勝って4位に滑り込んだ。

しかしその代償は大きく、貴重な得点源でありレッズの天敵でもあるマルキーニョスや齋藤の出場が困難な模様。前線の布陣は小野を1トップに据え、中村俊輔や狩野健太らが2列目を形成するが、攻撃のインパクトとしてはかなり厳しい状況となる。また守備陣も左サイドのドゥトラが欠場。その穴を金井が埋めるというスクランブル体制で臨むことになると思われる。


一方のレッズは、最終節は名古屋を相手に2-0と快勝。3位鳥栖、4位柏の敗戦を受け逆転で3位に滑り込みACL出場権を獲得しリーグ戦を終えた。

当然ながらモチベーションの問題が懸念されるが、ACL出場権とは異なる「天皇杯」というタイトル奪取。そして今シーズン限りでチームを去る達也やポポのために・・・という合言葉の元での心身の向上が、頂点へ向けての残り4試合への足掛かりと言っても過言ではない。

ただレッズも懸念材料がある。指揮官ミシャが腰の治療でリーグ戦終了後に母国へ帰国。代わりに堀コーチが指揮を執るが、システムに変更はなく彼が感じる上での些細な調整が施されるぐらいで大きな差異はなかろうかと思われる。また怪我人も多く、原口は虫垂炎で離脱。梅崎も別メニューで、前線のユニットはキーマンとなる達也が1トップを担い、マルシオ、柏木との構成になろうかと思われる。もちろん彼らをはじめ他の選手達の蓄積疲労も気になるところ。2週間空いた感覚をどう取り戻せるかがポイントになるだろう。


負けたら即ち今シーズンが終わるというノックアウト戦をどう乗り切るのか。それこそ力関係とは異なり、勝利への高いモチベーションが勝負の分かれ目になるだろう。リーグ戦とはまた違う賜杯へ向けての師走の熱き闘いが再び始まる。


☆前試合の結果
【浦和】 Jリーグ第34節 (対名古屋 ○2-0)
【横浜】 Jリーグ第34節 (対鳥栖 ○1-0)

☆今季対戦
Jリーグ第9節(5/3) 浦和1-2横浜 【浦和】【横浜
Jリーグ第25節(9/15) 横浜1-2浦和 【横浜】【浦和

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2012.11.30

第34節 名古屋戦プレビュー

3月の開幕から早9ヶ月が経ち、いよいよ明日は最終節。ホーム埼玉スタジアムに名古屋グランパスをむかえ対戦する。

名古屋は現在、15勝7分11敗の勝点52で第6位。前節はホームで鹿島と対戦。

この日は左サイドバックのDF阿部が離脱。代役にベテランの三都主が起用され彼を基点に攻撃を展開するも、開始わずか7分にDFダニエルのミスから先制点を奪われてしまう。その後はリズムを取り戻し、1トップを務める闘莉王にボールを集めるも、なかなかその先が続かずゴールが遠かったが、25分にFKから増川が体制を崩しながらも頭で決めて同点に追いつく。しかし、35分に大迫が3人に囲まれながらもシュートを放ちこれはGK楢崎が弾くも、そのこぼれ球に詰めたドゥトラに決められて再び突き放されて前半を折り返した。

後半開始から、永井、金崎を投入。ロングボールを闘莉王に集め、そこから落としたボールを狙うという手法に変えてゴールを狙う。何度かチャンスを作るものの、逆に両サイドから裏へ狙われる機会も多くみられ一進一退の展開となったがゴールネットを揺らすことができず、結局1-2で敗戦を喫してしまった。


一方のレッズは、前節はアウェーで鳥栖と対戦。

柏木が怪我。槙野を出場停止で欠くという厳しい状況で難攻不落のベアスタに乗り込んだが、開始から相手のエース豊田の高さと両サイドからの上がりをしっかり警戒し、そつなく守備をこなしていた。しかし終了間際に自陣右サイドの上がりを許してしまい金民友からのパスを最後は久々の先発出場を果たした濱田との競り合いに勝った豊田が飛び込んで先制を許してしまった。

後半に入ってもレッズは相手のバックラインの裏を攻め続けるもその後が続かず、また縦からの攻めも生かせずにゴールが遠かったが、58分に梅崎のミドルシュートが決まり同点。さあここから・・・と思っていたが、5分後の63分にクリアミスから野田に決められて勝ち越し、さらにホームベアスタの雰囲気も手伝ってか、前半こそ機能しなかったカウンターが嵌り始め78分にもダメ押しの3点目を決められて万事休す。結局1-3で敗れ3位から5位に転落し、自力でのACL出場権を逃してしまった。


明日はDFの軸となる槙野が復帰。前節怪我の影響で前半だけで交代した坪井も戻ってくるようである。ただ攻撃陣は広島戦である程度得点へイメージを掴み掛けていただけに、前節の敗退は厳しいものだった。ただ名古屋は闘莉王がDFに入るのと入らないのではその影響力は計り知れず、それは酸いも甘いもレッズの選手達が一番知っているだろう。また前節ミスを犯した相手DF陣に対して付け入る隙は十分にあるかと思う。縦への展開とバックラインの裏への展開をどう駆使できるかが、ポイントになろうかと思う。

長かったリーグ戦も明日で最後。昨シーズンと比べるとそれは天と地よりも大きい差である。今シーズンは指揮官が変わり、サッカーの内容も劇的に変化した1年で、最初こそ相手を凌駕する内容と結果を残したが、やはり研究されると厳しい状況には変わりない。ただ選手達のコメントを聞いてもまだまだこの先も延びしろがあるものと信じたい。

まだこの先も天皇杯が控えており、とかく終わり良ければ・・・という思いもあるが、レッズはここ5年リーグ最終戦を勝っていないのが現実である。ただそれを振り払うためにも難しい相手であろうが、今シーズンミシャサッカーで培った力を十分に発揮して勝点3を奪ってほしい。それがミシャに対する感謝の気持ちでもあり、来シーズンへの期待でもある。


☆前試合の結果
【浦和】 Jリーグ第33節 (対鳥栖 ●1-3)
【名古屋】 Jリーグ第33節 (対鹿島 ●1-2)

☆今季対戦
Jリーグ第8節(4/28) 名古屋1-2浦和 【名古屋】【浦和

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2012.11.23

第33節 鳥栖戦プレビュー

いよいよリーグ戦もあと2試合。明日はアウェー、ベストアメニティスタジアムにのりこみサガン鳥栖と対戦する。

鳥栖は現在、14勝8分10敗の勝点50で第5位。前節はアウェーで札幌と対戦。すでに降格が決まっている相手に対し、前半だけで7本のシュートを放ち試合の主導権を握っていたが、前半終了間際のアディショナルタイムにPKを与えてしまい前半を終えた。

後半に入ると1点を追うべく攻勢を強め、53分に磯崎からのアーリークロスに豊田が頭で決め3試合連続の得点で同点に追いつく。しかし56分にCKから決められ再び突き放されてしまった。

しかしまだまだ時間がある中で67分にセットプレーからキムクナンがPA内でボールを繋ぎ、最後は池田が決めて再び同点に追いついた。そして極めつけは71分。ロングボールに野田が相手DFに競り勝ちながら胸トラップ。さらに反転してもう1人を交わして冷静にシュート放ちゴールを決めてついに逆転。このゴールが決勝点となって結局3-2で競り勝ち、今シーズン初のリーグ戦3連勝を果たした。


一方のレッズは前節はホームで首位広島をむかえ対戦。

同じシステム同士のいわばミラーゲームの様相であったが、この日のレッズは積極的に前線からプレスを仕掛け攻撃を展開。守備陣もキーマンとなる佐藤寿人をしっかり監視し決定的なピンチを迎える場面は少なかった。そんな中でむかえた41分。啓太からの長いグラウンダーの縦パスに梅崎が上手く受け、ワンクッション置いてから迷わず右足を振りぬくと、相手GK西川の右をすり抜けゴールに突き刺さり待望の先制点を挙げて前半を終えた。

後半に入ると広島が攻撃のギアを上げ攻めの勢いが増すもゴールが遠く、逆に61分に阿部からのパスを受けた啓太が中盤からドリブルを仕掛けると、あれよあれよという間にPA前まで攻め込み、さらに相手DF千葉のスライディングをうまく交わし、気がつくとGKと1対1。最後は冷静にシュートを放つとゴール左隅に決め追加点を奪った。しかしリードされてもそこは首位。最後まで広島の猛攻を受けるも最後まで守りきって、結局2-0で勝利し、リーグ戦5試合ぶり、さらにホーム埼スタではおよそ3ヶ月ぶりの勝点3を奪った。


明日はホームであるベストアメニティスタジアムに限ると、リーグ戦で8勝3分2敗。カップ戦も加えると11勝3分3敗という、広島や仙台でさえも勝点3を奪えなかった高勝率で難攻不落のアウェーゲームとなる。その難しさは、6月にナビスコカップで対戦してすでに肌で感じているだろうと思う。

さらにレッズは、前節同様に怪我の影響で柏木、さらに累積警告で槙野を欠くというスタメンを固定してきた指揮官にとってここにきて大きな正念場を迎える。それは攻撃陣よりも守備陣でありおそらく槙野の代役には濱田水輝の起用が予想される。

これまで槙野が務めてきた“6人目”のアタッカーという任務は、水輝にとって到底難しいものと思われる。それゆえ攻撃のインパクトには欠けるかもしれないが、アウェーゲームゆえまずは失点を許さないことが重要なポイントになろうかと思われる。全体的に上背の高い選手が少ないレッズはハードワークを重ねる鳥栖に対し、どう個人能力で対処しそれをチーム戦術に落とし込んでゴールを奪えるか、非常に難しい一戦になることは間違いない。

これまでミシャのサッカーをゼロから築く中でそれなりの結果を残して現在3位に位置しているが、前節広島に勝って選手達の口から「ACL出場」という具体的な言葉が出てきた。それはここ数試合勝てない中であっても内容が悪くない中で、ようやく自信を持ち何かを掴み始めた証拠だと思う。


残り2試合は5位鳥栖、4位名古屋といういわばACL出場向けてのトーナメント戦と言っても過言ではない。しかも明日は難攻不落のベアスタでの試合。いやがおうにも緊張感が高まる。ただここで勝点が奪えれば、自信もより確かなものになろうかと思う。

厳しい90分間になろうかと思うが、6月の借りを返すべくしっかり結果を残してほしい。


☆前試合の結果
【浦和】 Jリーグ第32節 (対広島 ○2-0)
【鳥栖】 Jリーグ第32節 (対札幌 ○3-2)

☆今季対戦
ナビスコカップ予選第5節(6/6) 鳥栖2-1浦和 【鳥栖】【浦和
Jリーグ第17節(7/7) 浦和4-3鳥栖 【浦和】【鳥栖

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2012.11.16

第32節 広島戦プレビュー

前節から中9日。W杯最終予選を挟んで、いよいよJ1は佳境に入る。明日はホーム埼玉スタジアムにサンフレッチェ広島と対戦する。

広島は現在、17勝7分7敗の勝点58で首位。前節はホームで札幌と対戦。この時点で仙台と同勝点だったゆえ、優勝には勝点3が絶対条件というプレッシャーがかかる中での試合だったが、17分に獲得したPKを森崎浩司がきっちり決めるとさらに31分、青山からのロングパスを受けた佐藤寿人がしっかりと決めて追加点。勢いをさらに加速していった。

後半に入っても相手を圧倒。シュート数が19対4にも表れているようにしっかりと攻めきり相手にペースを握らせることはなかった。86分にもCKから水本が頭で決めて結局3-0での圧勝。まさに首位という自信に満ち溢れた内容と結果だった。


一方のレッズは、前節はアウェーで川崎と対戦。相手の不慣れな3バックに対し、しっかり丁寧に中央から崩し、19分に柏木が先制点を奪うも、そのわずか3分後に自陣PA手前でFKを与えると、レナトが放ったキックはマルシオに当たりコースが変わってそのままゴールに吸い込まれてしまい同点。さらにその6分後の28分にまたしてもレナトのFKがゴール右隅に突き刺さりあっという間に逆転されてしまった。

追いつくべく前へボールを繋いでいくが、中盤で不用意なパスカットされる場面も目立ち、そこから一気にカウンターを浴びせられる場面も見られた。そんな中で34分にもレナトの個人技についていけずさらに失点を重ね前半を折り返した。

後半に入るとレッズはDF槙野が積極的に攻めあがるシーンが見られ、58分にようやく2点目を奪うものの72分に再びカウンターから山瀬に決められて万事休す。結局2-4で大敗しながら3位はキープしているものの、首位戦線はおろかACL圏内さえも危うい状況となった。


リーグ戦では9月末に柏に勝ってからは1分3敗。ここにきて足踏みが続いている。相手に対策を立てられるとそれを打ち破れないジレンマに苛まれているようにみえる。しかし選手達はミシャのサッカーに自信を深めており、それが結果と内容のアンバランスを生んでいる。そこにきて明日はそのお手本ともいえる広島との対戦というのは、ある意味運命的といっても過言ではない。

お互い同じシステムゆえ良くも悪くもミラーゲームの展開も予想されるが、経験値では広島のほうが一枚も二枚も上手であるのは間違いのない事実であり、順位がそれを反映している。開幕戦こそ結果は0-1だったが、選手達はその完成度の差を目の前で見せ付けられてからミシャの下でじっくりそのサッカーに取り組んでここまできた。明日は順位こそ1位と3位で離れているが、その差をどこまで埋められるのかじっくり注目したい。

☆前試合の結果
【浦和】 Jリーグ第31節 (対川崎 ●2-4)
【広島】 Jリーグ第31節 (対札幌 ○3-0)

☆今季対戦
Jリーグ第1節(3/10) 広島1-0浦和 【広島】【浦和
ナビスコカップ予選第7節(6/27) 浦和3-0広島 【浦和】【広島

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2012.11.06

第31節 川崎戦プレビュー

ナビスコカップによる中断をはさみ、さらに翌週にW杯最終予選を控える中での今シーズン唯一のミッドウィークのリーグ戦。明日は、アウェー等々力陸上競技場にのりこみ川崎フロンターレと対戦する。

川崎は現在、11勝7分12敗の勝点40で第12位。前節はアウェーで神戸と対戦。

残留争いの渦中にある相手に対し、開始早々に負傷で吉田孝行に代わって投入された元同僚の都倉のポストプレーからことごとくビルドアップを許し、攻勢をかけられる場面がしばしば見られた。そんな中、39分に風間宏希からパスを受けたレナトがミドルシュートを放ちゴール右隅に決めて先制。前半だけで相手にシュートを11本打たれるも、1点リードして前半を終える。

後半に入ると稲本に代わり伊藤宏樹が投入され、システムを3-4-3に変更。中村憲剛をボランチに下げて試合の主導権を握ろうとするも、56分にリスタートからこぼれ玉に反応した都倉に決められ同点に追いつかれる。その後神戸も2度のビッグチャンスを決めきれずにいると、65分に中村のCKから小林が決めて勝ち越し、さらに69分には楠神が上げたクロスがそのままゴールに吸い込まれ3-1となり、優勢に試合を進めたかにみえた。

しかし、直後に神戸は大久保を投入し反撃開始。76分には彼を起点に田代が決めて1点差。さらに82分には朴のクロスからまたもや都倉にヘディングで決められ、同点に追いつかれた。その後はお互い疲弊しながらのカウンターの応酬であったが決めきれず、結局3-3の引き分けに終わり川崎としてはリードを守りきれず終わるという難しい結果となった。特にここ2試合連続で3失点と守備が不安定気味。前節後半から3バックで臨んだものの、不安要素が多く付け入る隙は十分にあろうかと思われる。


一方のレッズは前節はホームでセレッソ大阪と対戦。

前線からのプレッシャーに苦しむも、この日は何度となくビルドアップを敢行。1トップを担う原口が高い位置でしっかりボールを捌いて展開するも、フィニッシュが決まらずゴールが遠かった。守備陣は34分に永田が負傷で離脱。代わりにベテランの山田暢久がそのままCBに入り、無難に試合をコントロールした。

しかしその結果、時間が過ぎるごとに徐々に守備偏重になり、なかなか攻撃に手数をかける時間帯が少なくなってしまった。もちろん相手のカウンターを警戒する動きもあったが、個々の選手の疲弊も感じられ、なかなか攻守の切り替えがうまくいかなったように見られた。最後も何度かゴール前へチャンスを作るも決めきれず、結局0-0のスコアレスドローに終わり、これでリーグ戦3試合勝ちなし。優勝戦線から離れ逆に4位以下との差が縮まってきた。


リーグ戦も残り4試合となり、勝ちきれない試合が続く中で3位以内へ向けてラストスパートを仕掛けたい所であるが、ここ数試合はレッズの攻守におけるパターンが相手にしっかり読まれているようで、なかなか攻撃を仕掛けても相手の守備網に苦戦してしまう。レッズとしては5人目、さらに槙野を含んだ6人目の動きが生命線であり、塞がれた時の対応こそが次のステップへの布石になろうかと思う。

明日は永田に代わり、前節でも途中起用された山田暢久のスタメンが濃厚。決して上背こそ高くないCBであるが、中盤の阿部や啓太らと変則5トップが織り成す繋ぎが結果を左右する事になるのかも知れない。ここ3試合途切れた流れを再び動かせるのか。その舵取りは、浦和を知り尽くすベテランに託されたといっても過言ではない。

☆前試合の結果
【浦和】 Jリーグ第30節 (対C大阪 △0-0)
【川崎】 Jリーグ第30節 (対神戸 △3-3)

☆今季対戦
Jリーグ第4節(3/31) 浦和1-1川崎 【浦和】【川崎
ナビスコカップ予選第4節(5/16) 川崎0-3浦和 【川崎】【浦和

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2012.10.26

第30節 C大阪戦レビュー

今シーズンもリーグ戦は残り5試合。明日はホーム埼玉スタジアムにセレッソ大阪をむかえ対戦する。

セレッソは現在、11勝6分12敗の勝点39で第11位。前節はホームキンチョウスタジアムでFC東京と対戦。

退団したケンペスに変わり1トップを務めたのはロンドン五輪でも活躍した杉本。さらに2列目には枝村、柿谷、ヘベルチと並べ、ボランチには山口蛍とシンプリシオが並ぶという新しい形で臨んだ。

試合は一進一退であったが、後半開始早々の50分に左サイドバックの丸橋が縦から中へ切れ込みながら鮮やかなミドルシュートを決めて先制点を奪う。その後も1対1のチャンスを奪えずにいると、74分にカウンターからヴチチェヴィッチに決められて同点となる。

アディショナルタイムに相手が1人退場するも、試合への体勢は変わらず結局1-1の引き分けに終わった。


一方のレッズは前節はアウェーで仙台と対戦。荒れたピッチの感触を確かめたかったが、開始わずか2分で自陣左サイドでボールをキープする太田とウィルソンに枚数をかけすぎてしまい、結局中で待ち構えていた赤嶺にあっさり頭で決められて先制を許してしまう。その後も前線からプレスをかけられ、なかなか攻撃のリズムが上がらないまま前半を折り返した。

後半に入ると、ややレッズが流れを引き寄せるも、62分にパスミスからカウンターを発動され最後はウィルソンに決められて2点差。しかしその2分後にドリブル突破から抜け出した槙野が決めて再び1点差となる。懸命に追い上げるも79分に自陣左サイドからのクロスに中原が競り、そのこぼれ玉を再びウィルソンに決められ突き放されるものの、その3分後にCKからマルシオが決めてまた1点差となる。その後、マルシオや原口がGKと1対1のチャンスを生み出すも好セーブに阻まれ、結局2-3で敗戦を喫し、今シーズンはじめての連敗となった。


セレッソは成績不振で8月末にセルジオ・ソアレス氏を解任。昨年まで指揮をとっていたレヴィー・クルピ氏が就任すると、以後リーグ戦は4勝1分1敗と右肩上がりに調子を上げ、一気に降格圏から脱出し勝点40も目前となっている。特に前節から1トップを務める杉本や成長著しい柿谷の動きを捉える事が重要になってくるだろう。前回アウェーでの対戦時にアディショナルタイムに柿谷に決められて引き分けとなり、勝点2を失ったのは記憶に新しいところだ。

レッズはここ数試合先制点を奪われ続けており、その精神的ダメージもあるがそれに伴い主力選手の疲労蓄積が気になるところ。特にここ最近相手はレッズ対策として5バック気味で守る事で攻撃のリズムを失わせ、さらに前線から追い込まれる事でボールロストを誘発させられ一気にカウンターを発動させてくる。そういう中でなかなか自分達のリズムで試合運びができず難しい部分があるだろうが、その局面を打開しなければこの状況は打ち破れない。相手のスカウティングはもちろんだが、個々の動き出しなど確認すべきこともあるかもしれない。それゆえもう一度基本に立ち返ることで見えてくるものもあろうかと思う。

半月ぶりの埼スタは、もう2ヶ月も勝利から遠ざかっている。再びここに歓喜が戻ってくるには「勝点3」が何よりの良薬になるに違いない。


☆前試合の結果
【浦和】 Jリーグ第29節 (対仙台 ●2-3)
【C大阪】 Jリーグ第29節 (対FC東京 △1-1)

☆今季対戦
ナビスコカップ予選第3節(4/18) 浦和1-4C大阪 【浦和】【C大阪
Jリーグ第16節(6/30) C大阪1-1浦和 【C大阪】【浦和

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2012.10.19

第29節 仙台戦プレビュー

日本代表の欧州遠征、天皇杯などしばしの中断期間を挟んで迎える第29節。明日はアウェー、ユアテックスタジアム仙台へのりこみベガルタ仙台と対戦する。

仙台は現在、14勝9分5敗の勝点51で第2位。前の試合は先週水曜日に行われた天皇杯3回戦の熊本戦。

この試合、仙台は若干スタメンを変えて試合に臨んだが、リーグ戦連勝中だった相手にホームながら受身で入ってしまう。ただしっかり前半だけでもシュートは7本放っているが、スコアレスで前半を終える。しかし後半に入ると、早々の48分に自陣左サイドからクロスを上げられ、これをDF鎌田がクリアミス。それを逃さなかった齊藤が決めて先制点を奪われる。

その後中原、太田と主力を投入した直後の66分にその鎌田からのクロスを渡辺が決めて同点に追いつく。80分に3枚目となる武藤を投入し試合を決めにかかる采配をするもゴールが遠く延長に突入する。リーグ戦では経験することがない延長戦での一進一退の攻防。後半に入りPK戦まであとわずかとなった119分に自陣右サイドを齊藤に破られ、最後は中央に折り返したパスを養父に決められ万事休す。結局1-2で敗戦を喫し3回戦で姿を消した。

その前のリーグ戦ではホームでガンバと対戦。相手のミスを逃さず赤嶺のポストプレーから先制点。さらに自陣左サイドから朴柱成のクロスに中原が相手DFを振り切り頭から飛び込んでゴールと立て続けに得点を奪い、結局2-1で勝点3を奪った。


一方のレッズは前の試合は天皇杯3回戦。佐賀でJFL所属のカマタマーレ讃岐と対戦。その前の札幌戦もそうだったが、可変5トップで攻めあがるレッズに対し、相手はしっかり5バックで応戦。さらに中盤でボールホルダーに対し、強烈にアタックを仕掛けられるとボールの出所が制限されてしまい、なかなか攻撃の形が組み立てられない時間が続いた。

敵将はしっかりレッズのウィークポイントを導き出しており、選手達は無駄な動きをすることなく5トップの前に壁を作り、さらに6人目の動きを封じ自由の効かないレッズからボールを奪うと一気にカウンターで攻め上がり、少ないチャンスながらもゴールを脅かされた。

しかしレッズは、梅崎から矢島、原口から山田暢久を投入。ポポを1トップに据えチャンスを伺うと、75分に槙野の突破から矢島が決め待望の先制点を奪う。しかし88分に同点に追いつかれ、延長やむなしと思われたアディショナルタイムに小島からのクロスを相手DFがクリアミス。それをポポが逃さず最後はGKもかわして無人のゴールにボールを沈めて勝ち越し。結局2-1で辛くも勝利し4回戦へ駒を進めた。


仙台のストロングポイントといえば、フィジカルの強さとサイドからの攻撃。特に太田からの正確なクロスは秀逸でそれをウィルソンや中原が相手と競り合いながらもゴールを奪うシーンが多く見られ、その中でも玉際でのボールの奪い合いがポイントになろうかと思う。逆にレッズはサイドから放り込まれるクロスの対応にやや難があり、ボールウォッチャーになることもしばしば見られる。まずはその出所となるサイドの攻防にも注目したい。

レッズは明日は原口に代わりポポが1トップを務めることになりそうだ。おそらくDF複数枚を擁して潰しにかかるゆえ、その後のプレーへの対応が大事になる。柏木、マルシオの動きもそうだが、6人目の攻撃参加がレッズの生命線になることに違いないが、逆に高い位置でボールを奪われると一気にカウンターの餌食になってしまうゆえ試合運びには十分気をつけたいところだ。

リーグ戦も残り6試合となり、1試合1試合がとても重要になってくる。特に明日は独特のアウェーを味わえるユアスタでの試合。これまで宮スタが多かったゆえ昨年はその雰囲気に圧倒されてしまい対仙台戦で久々の敗戦を喫した。ここ数試合ミシャサッカーが攻略されつつあるこの局面をどう乗り越えていくのか貴重な90分間になろうかと思う。この高いハードルを乗り越えられるのか、杜の都での闘いに希望を見い出したい。


☆前試合の結果
【浦和】 天皇杯3回戦 (対讃岐 ○2-1)
【仙台】 天皇杯3回戦 (対熊本 ●1-2(延長))

☆今季対戦
ナビスコカップ予選第1節(3/20) 浦和1-0仙台 【浦和】【仙台
Jリーグ第15節(6/23) 浦和0-0仙台 【浦和】【仙台

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2012.10.09

天皇杯3回戦 讃岐戦プレビュー

明日は天皇杯3回戦。レッズは佐賀県総合運動場陸上競技場でJFL所属のカマタマーレ讃岐と対戦する。

讃岐は2回戦ではJ1の鳥栖をアディショナルタイムで撃破し3回戦進出。直近の試合は、7日に行われたJFL第28節。ホーム丸亀競技場に栃木ウーヴァFCをむかえ対戦し、スコアレスドローに終わった。

先月末、「クラブライセンス申請」を取り下げJリーグ昇格を断念した話題は記憶に新しいところ。そういう中でJ1と対戦するということは、自分達の力量を推し量る上でもそうだが、モチベーションという面も含めて彼らにとってとても大事な試合になろうかと思われる。


一方のレッズは前の試合はJ1第28節。ホーム埼玉スタジアムに札幌をむかえ対戦した。

出だしこそ悪くはなかったが、レッズの可変システムに対し、しっかり5バックでマンツーマンで対応しなかなか攻撃の糸口を作らせなかった。後半開始早々にDF永田が古田に体を入れ替えられた後、すぐさま放ったシュートがゴールに突き刺さり先制を許す。さらにカウンターを起点に自陣の守備対応のまずさから、最終的にGKと1対1の局面を生み出されてしまい再び古田に決められ追加点。

終了間際に1点を返すも、自分達のミスもそうだが、相手の強いプレッシャーに攻撃の起点を潰されて万事休す。結局1-2で敗れ痛恨の1敗を喫した。


リーグ戦からわずか中3日となるが、明日のレッズは先の日程に余裕があるため決して主力メンバーを落とさず、ある程度ポジションを入れ替えて試合に臨むことが予想される。それゆえ大事なのはこれまで何度も言われている“決めきる力”と“隙を見せないポジショニング”になろうかと思う。

おそらく敵将は札幌戦で何かのヒントを得ているはずで、レッズのストロングポイントをマンツーマンで抑えるのもそうだが、ミスを誘発させて一瞬のカウンターで勝負を仕掛けてくるものと思われる。レッズとしては先週末に札幌に敗れた事で、身をもって得た教訓を生かすことが出来るかがポイントになるだろう。

明日は開催地が佐賀というアドバンテージがない中立地での一発勝負。自分達が失った自信を九州の地で取り戻す事ができるのか。そして先週指揮官が語ったように、敗戦の後再び強くなって帰ってくるのか・・・。下のカデゴリーとはいえ堅守鳥栖を破った決して侮ることできない相手に対し、レッズのサッカーを突き詰められるか見守りたい。


☆前試合の結果
【浦和】 Jリーグ第28節 (対札幌 ●1-2)
【讃岐】 JFL第28節 (対栃木ウーヴァFC △0-0)

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2012.10.05

第28節 札幌戦プレビュー

10月に入り、今シーズンもあと7試合。明日はホーム埼玉スタジアムにコンサドーレ札幌をむかえ対戦する。

札幌は現在、3勝1分23敗の勝点10で最下位。前節はアウェーで川崎と対戦。

降格という現実を目前にしながら、現状の守備崩壊を食い止めるべく、前節は3バックを採用し試合に臨んでいる。試合の主導権こそ相手が握るも、決して集中が途切れることなく前半をスコアレスで終える。

後半に入ってもペースが変わる事なく、相手の焦燥感を逆手にチャンスを伺っていたが、79分のレナトのシュートが決まり先制を許してしまう。時間が差し迫る中、果敢にゴールに向かうも、88分の上原のシュートも相手GKの好セーブで万事休す。結局0-1で敗戦を喫し、他チームとの複雑な絡みの中で、しばしの時間が経ってから札幌のJ2降格という現実が突きつけられた。


一方のレッズは、前節はアウェー国立競技場で柏と対戦。

開始からサイドチェンジを多用させながら相手ゴールへ迫るものの、なかなかラストチャンスまで結びつかない。そんな展開の中、15分にCKから永田に当たるオウンゴールで先制点を許してしまう。

そして27分。攻撃のテコ入れ策として原口からポポに交代。相手も怪我のレアンドロドミンゲスに代わり、ジョルジワグネルが投入されると、試合の流れが変わってくる。39分に右サイドに大きく展開する流れから、梅崎がマルシオのシュートのこぼれ玉にしっかり詰めて同点に追いつき前半を終えた。

後半に入ると、守備を修正してきた相手に対し、一進一退の攻防が続く。対レッズの常套手段でもある6バックで応戦されるとなかなか打開できるチャンスも少ないものの、そんな中で阿部や永田、さらに坪井までが自らドリブルで敵陣に攻め込む事で機会を伺った。

そういう展開が続く中、もう引き分けかと思われたアディショナルタイム。GK加藤からの超ロングスローを矢島が競り勝ちそのこぼれ玉を相手DFとGKの間を縫ってポポが突進。わずかに足がボールに触れ、そのままスローモーションのようにゴールに転がり込み、土壇場で逆転を果たし試合終了。2-1で勝利し上位戦線に踏みとどまった。

内容とすればしっかり攻略される中で、どう打開できるかがポイントであったが、相手のマークを引き剥がすべく何度も何度も仕掛けていった結果、勝点3を奪取できたと思う。それだけこの試合の勝利は大きかったということだろう。


明日は、すでにJ2降格が決まった相手とはいえ、誰として安泰なものとは考えていないだろう。今シーズン勝点を取りこぼしているのは、大半が下位のクラブからゆえ、一切勝点は約束されてはいない。さらに彼らは来シーズンを見据えて残り試合を戦うのだから、すでに次の舞台へ向けてのアピールの場といっても過言ではない。さらに今日、敵将石崎監督の退任が発表されたゆえ、各々のモチベーションがプレーに及ぼす影響は計り知れず、十分注意しなければならないだろう。

ただ、これまで札幌が積み重ねてきた失点が「70」というのは、どこかで修正を施してもどこかしらに穴があると思われる。もちろんアウェーゆえしっかりとゴールに鍵をかけられる可能性があるだろうが、レッズとしては例え時間が過ぎようとも、焦らず自分達のサッカーを突き詰めて勝点3を目指して攻める姿勢を崩さないことが大事だと思う。

目指すべきものがしっかりしていれば、おのずと結果がついてくるはずだ。


☆前試合の結果
【浦和】 Jリーグ第27節 (対柏 ○2-1)
【札幌】 Jリーグ第27節 (対川崎 ●0-1)

☆今季対戦
Jリーグ第3節(3/24) 札幌1-2浦和 【札幌】【浦和

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2012.09.28

第27節 柏戦プレビュー

9月もいよいよ最後。明日はアウェー国立競技場にのりこみ、柏レイソルと対戦する。

柏は現在、11勝6分9敗の勝点39で第7位。前節はアウェーで鳥栖と対戦。立ち上がり良く主導権を握ってゴールを目指すもなかなか遠い中で、終了間際の43分にFKから呂のゴールで先制を許す。さらにアディショナルタイムにクリアのこぼれ玉を拾われてシュートを放たれ、追加点を奪われて前半を終えた。

後半に入り追いつくべくチャンスを伺うも53分に相手の猛然とした突破から、最後は走りこんできた金に決められ3失点目。65分に相手GKのクリアボールをレアンドロドミンゲスがヘディングで決めて1点を返すも万事休す。結局1-3で敗れた。


一方のレッズは前節はホームでガンバ大阪と対戦。

開始こそサイドチェンジとロングパスを多用しチャンスを作っていたが、時間が経つごとに徐々に相手のペースとなり、逆にボールを奪えない時間が増えてゆく。19分にゴール前の混戦から阿部に鮮やかに先制点を奪われると、36分に自陣右サイドからのクロスに中央のレアンドロをフリーにさせてしまい追加点を奪われて前半を折り返した。

後半に入っても試合の主導権はガンバ。60分に自陣右サイドを破られ、最後はレアンドロの技ありのゴールで3失点目。さらに、87分にはDFラインの裏を衝かれ失点。そしてこの試合のフィナーレはアディショナルタイムにすでに集中力を欠いたDF陣をあざ笑うかのごとく途中出場のパウリーニョに2点を奪われてジ・エンド。結局ホームで0-5と無様といっても過言ではない大敗を喫した。

レッズも決して調子が悪いという印象はなかった。しかし2シャドーとボランチをしっかり監視され、ストロングポイントである縦への展開を封じられると、なかなか主導権を握れず逆に相手が得意とする細かいパス回しの前に、常にボールを追いかける展開を許してしまった。16位とは思えないチームパフォーマンスで結果を残されてしまった事はレッズにとって大きな痛手となった。


明日は啓太が累積警告による出場停止。おそらく柏木がボランチに入り、梅崎がシャドーを務め、宇賀神が左サイドを埋めるものと思われる。やはり柏木自体のパフォーマンスは認めるところではあるが、ボランチとしての展開力、そして相方となる阿部との連係が大きなポイントになるだろう。

相手はレッズの前節での5失点をしっかりスカウティングし、中盤からバイタルエリアを制圧して速攻から得点を奪う気配を見せている。レッズとしてはキーマンとなるであろうレアンドロドミンゲスやジョルジワグネルの両翼に注視することも大事だが、大谷や栗澤らボランチの飛び出しにもしっかりケアしなければならない。やはりディフェンディングチャンピオンゆえ、しっかり修正してくるだろうが、直近公式戦8試合で勝ったのが、天皇杯2回戦とリーグ前々節での札幌戦のわずか2勝だけというのは、チーム状況を察する上で気になるところである。


共に前節大敗を喫し、明日の一戦がターニングポイントと定めているであろう両チームの対戦。特にレッズにとっては降格争いに沈む相手にぐうの音の出ず完敗してからの建て直しが必至だ。ただこれまでやってきたことが正しいという事は、常々指揮官も選手達も語っている。だからこそ彼等が試合に臨むべくパフォーマンスがとても重要になってくる。

一度忘れかけたリズムを国立のピッチで取り戻すことができれば、前節取りこぼした勝点3を奪うチャンスもみえてくるだろう。


☆前試合の結果
【浦和】 Jリーグ第26節 (対G大阪 ●0-5)
【柏】 Jリーグ第26節 (対鳥栖 ●1-3)

☆今季対戦
Jリーグ第2節(3/17) 浦和1-0柏 【浦和】【

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